オーガニックとは
オーガニックと聞くと、農薬不使用とか安全と言うイメージがあると思いますが、実はそれだけではないのです。
オーガニックとは”有機”と同じ意味で、農薬や化学肥料にできるだけ頼らず、太陽や土地、水などの自然のめぐみを大切にした農業・水産業・畜産業・加工方法全般のことを指します。
オーガニックの目的
本来オーガニックの目的は、化学農薬・科学肥料、環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避け、”自然のままの健全な食物連鎖を目指すこと”にあります。
オーガニックを取り入れることで、
*科学農薬・化学肥料をできるだけ使わず、水・土・大気を汚染から守る。
*適地適作・地産地消で地域の文化を大切にする。
*添加物をできる限り低減し、科学染料・塗料を使用せず、食品の安全性を確保する。
というようなことが実現されます。
オーガニックの農法を取り入れている農園では、その他の農園に比べ5割以上もの蜂や蝶々などの野生生物が存在しているそう。
それだけ自然環境にとって良いものということ。
オーガニックは安全?
答えはイエスでありノー。
オーガニックはできる限り科学的なものを排除しているため、化学的な危害リスクは他のものい比べて極めて低いです。しかし、その他のリスクは他のものと同等。
一般の食品などと比べた場合に、安全性は高いと言えますが、
”オーガニック=ゼロリスク”
ではありません。
オーガニックの4原則
国際有機農業運動連盟(IFOAM)が提唱しているオーガニックの4原則、これを知るとオーガニックの本当の目的が見えてきます。
国際有機農業運動連盟(IFOAM)とは117か国の800近い加盟組織を代表する有機農業運動の世界的な組織で、”有機的な運動をその多様性の中でリードし、団結させ、そして支援すること”を使命としています。そして、”有機農業の原則に基づく、生態学的、社会学的、経済的に健全なシステムの世界的な採用”をビジョンに活動をしている組織です。
1.生態系:生態系とその循環と共に働き、学び、維持・向上させる。
2.健康:土、動植物、人、地球全の健康を一体として認識し、維持・向上させる。
3.公正:共有環境と生存の機会の公正さを確かなものとする相互関係を構築する。
4.配慮:現代と将来における健康・幸福・環境を守るための方法をとる。
この原則を見ると、オーガニックは決して人間の安全の為に取り入れられているものではないことがわかります。
微生物から始まり、土・水・人間・地球全ての健康を一環として捉え、自然のままの食物連鎖を目指すことです。
お勧めの本
オーガニックを知るにあたり、そもそもの農薬の危険性などを学ぶのにとってもお勧めなのが、生物学者のレイチェル・カーソンにより1962年に出版された”沈黙の春”。
我々人間が作り出した農薬などの化学物質の危険性を様々な事例とともに書き綴ったほん。
人工的に自然システムを崩してはいけない、人間も自然の一部でり、その循環の中にいるのだということを強く感じさせてくれる一冊です。
作者のレイチェル・カーソンの指摘により、農薬には基準値が設けられ規制されるようになり、その規制は世界中の先進国に広がり、近年まで続く環境保護思想の源流となっています。
50年以上前に出版された本ですが、オーガニックを考える上でとても参考になります。
まとめ
サステイナブルな食物連鎖を実現するには、化学農薬や化学肥料による土壌や水質の汚染が行われない方法が必要です。人工的な方法ではなく、自然の力を最大限に活かす方法がオーガニック。
その結果が私たちの手にする物の化学的危害リスクの低減になっている、つまりオーガニックの結果ということです。